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ウミネコのフン爆撃を華麗に避け、巨樹に挨拶し、磯の香りのホヤラーメンを食べ、震災遺構に心を痛めながら、リアス式海岸の絶景に感動、そして漁師宿のホスピタリティに感謝«震災遺構を巡る東北三陸ツーリング 2022GW 1日目»

ツーリング
この記事は約10分で読めます。

今回からようやく東北地方の東海岸側である三陸海岸沿いのツーリングがスタートします。

八甲田山を背に三陸海岸に向かい、ウミネコの糞を避けながら、ギリギリセーフでホヤラーメンを食べ、巨樹に挨拶、そして震災遺構(とその周辺での)に心を痛めていくというツーリングになりました。

ツーリングする皆様の参考になれば幸いです!それではどうぞ。

※今回のツーリングでは、東日本大震災の遺構を巡っています。閲覧される方によっては、気分に影響する画像が掲載される場合がありますので、十分に気をつけて閲覧いただきますようお願いします。(僕もそういうので落ち込んじゃうタイプなので、注意書きを入れました。ただ、グロい画像とかではないです。建物が崩壊しているとかそんな感じ)

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青森市内から八甲田山・田代高原を経由して三陸方面へ

青森市内を早朝に出発し、八甲田山の北側の道路の青森県道40号線を南東に進み、国道102号線へ。途中、萱野高原や田代平湿原など、なかなか景色を楽しめる場所がありましたが華麗にスルー。というか何度も行ったことがあるのでスルーしました。今回はそこは目的地じゃない。

そして国道45号線に入り、ファミマでいったん休憩。下の画像はどこかの農道から八甲田連峰が綺麗に見えたので残しておきました。ゴールデンウィーク、まだまだ雪の残る山って美しいですね。

蕪嶋神社

さて、まずは第一の目的地である蕪島神社へ。

正直、到着するまで大した神社じゃないんだろうと思っていたのですが、到着してみたらびっくり。

美しい…神社でした

菜の花効果もあってかめちゃくちゃ感動してしまいました。ウミネコの繁殖地で、繁殖シーズンということもありウミネコたちが激しく往来しておりました。

彼らは人に慣れてしまっているので、近づいても全然警戒されません。それでいいのかとも思いましたが、共存共栄ということで。

ウミネコの数がとにかく多いので、フンが落ちてきても文句は言えません。あらかじめ傘などを用意していったほうがいいかもしれません。

僕は運良く爆撃を避けて歩くことができたので、大丈夫でしたが。もしかしてここのウミネコたちはマナーがいいのか?

こちらは道路を挟んで無料駐車場が2箇所ありますので、そちらに安全に駐車することができます。二輪専用のスペースはなかったと思いますので、その点だけご注意を。

このあたりも津波の被害があり、6メートルの津波によって一体の建物などが壊滅状態になってしまったとこと。駐車場併設のトイレや店舗などは新しく建築されたもののようです。

ロータリークラブの立派な石碑が立っているのでぜひ読んでみてください。国際協力で作られたとのこと。

火災で焼失後、再建されていた

この神社、やたらきれいだなと思っていたのですが、火災により消失しており、再建されたらしいです。

2020年に再建工事が完了したということで、かなり新しい姿を見られたということですね。

・・・津波では残ったのでしょうか?ちょっと高台になっているので、大丈夫だったのかもしれませんね。

主祭神は市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)

市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)は、神代に天照大神が素戔嗚尊との誓約のときに生まれた3女神のうちの一人。3女神とは市杵島姫命、奥津嶋姫命(おきつしまひめのみこと)、多岐津姫命(たきつひめのみこと)です。

3女神っていろんな神話に出てきますよね。有名なのだと北欧神話のウルズ、スクルド、ヴェルザンディとかでしょうか。(厳密には3女神ではないという説もあるようですが。)

手元の日本書紀によると・・・要するに、天照大神が素戔嗚尊の十握の剣を真名井の水ですすいだ後、もぐもぐしてペッ!と霧状に吹き出したら、3女神が生まれたうちの一人、ということらしいです。(諸説あります)

謎ですね。

蕪嶋神社 - 青森県八戸市
蕪嶋神社 - 福の神 八戸弁財天 - 青森県八戸市

種差海岸

次の目的地は種差海岸です。海開きした夏に来るべきだったかもしれません。こちらも津波の被害があり、10.7mの津波が襲ったようです。もうどうしようもないですね。

ゆったりとした時間が流れているような感じで、リラックスできました。

このトイレは流されなかったんだろうか?
ここが種差海岸。ゆったりとしていていい感じでした。
種差海岸インフォメーションセンター

銀杏木窪の大銀杏(ぎんなんきのくぼのだいぎんなん)

次に向かったのは銀杏木窪の大銀杏です。読み方は「ぎんなんきのくぼのだいぎんなん」。公式情報サイト(?)の読み方がそうなっているので、間違っていないと思います。

ちょっと場所がわかりにくいので、GoogleMapsでピンポイントに指定したほうがわかりやすいと思います。僕は他のマップを使って行ったのですが、10分ぐらい周辺をぐるぐる回っていました。これだけ大きな木なら遠くから見えるのでは、と思いますよね?そうでもなかったです。

あと、前面道路が幅狭なので自動車などには十分注意が必要です。

巨樹です。ひえー

情報によれば、推定樹齢は1000年とのこと。

この大きないちょうの木が、晩秋になると真っ黄色になるんですよね。ぜひ紅葉の時期に再訪したいところ。宿題ですね。

銀杏の木の乳状下垂

銀杏木窪の大銀杏 | VISIT HACHINOHE | VISITはちのへ観光物産サイト

アイヌの黄金伝説の伝説

ゴールデンカムイじゃないですが、この銀杏木窪の大銀杏にも、アイヌの黄金伝説が残っています。看板に残っていた文章に曰く、

また、その昔、当地に住んでいたアイヌが、この大銀杏の根本に黄金を入れた壷を埋めたと言う伝説も残っている。

「銀杏ノ木窪の大銀杏」看板より引用

ということのようです。アイヌの黄金伝説ってもしかして色んな所に残っているのか?と思い、ちょっと興味が湧いてきました。そもそもの伝説があって、あの漫画ができたのかな?っていうかアイヌ、黄金埋めがちなの?

アイヌゆかりの地を巡るツーリングも面白そうです。主に北海道になりそうですけどね。

麺介 ほやラーメン

アイヌの黄金伝説が頭の中を???にしたところでお腹が空いてきたものの、ちょうどいいところに飯屋がない。これが三陸海岸か・・・と思いながら走っていると、いつのまにか岩手県に。

そしてギリギリ空いてそうなラーメン屋さんを発見。その名も「麺介」(めんたす)。初見では読めたらすごいですね。

あと5分で閉店というところで滑り込み、ホヤラーメンを注文。まだあってよかった・・・。子供の頃はホヤなんて食べるものじゃないと思っていたけど、いまとなっては美味しい珍味ですね。

出汁の効いた磯の香りたっぷりの塩ラーメンでした。ごちそうさまでした。

めんたす。

ホヤラーメン以外も美味しそうです。次回機会があれば狙っていきたい。2杯くらい。

麺介 洋野町のラーメン専門店
岩手県洋野町にある唯一のラーメン専門店 麺介(めんたす) 地元の食材を使ったラーメン等、メニューが豊富です。良かったらお立ち寄りください

陸中黒埼灯台

国道45線を更に南下していきます。次の目的地は陸中黒埼灯台。麺介でホヤラーメンを食べ終わって出発した時点でもう15時近くになってしまっていたので、ちょっと今日の行程厳しかったかな、とこの当たりで思い始めました。

16時30分ころに陸中黒埼灯台に無事到着。もうだいぶ日が傾いてきていました。

陸中黒埼灯台は、もとは「普代灯中」という地元の漁業組合が設置した終夜灯だったとの記録が書いてありました。そこから普代灯台として昭和27年に初点、昭和40年にいまの陸中黒埼灯台という名称になったそうです。

いい感じの白亜の灯台です。

陸中黒埼灯台

震災遺構1 明戸海岸防潮堤

今回のツーリングのメイン1本め。「震災遺構 明戸海岸防潮堤」です。

まずはこの写真を見てください。このコンクリートの塊はもともと、明戸水門という水門と、防潮堤があったものの残骸です。津波で流され、この場所に瓦礫が積み重なったようです。

津波で押し流された瓦礫の山

次の画像は、沖に合った波消しブロックです。波消しブロックは約8トンもあるものですが、大津波によって約200メートルも押し流されてしまいました。8トンもある波消しブロックがこの様になってしまうということからも、人間ではひとたまりもなかった、どこかに捕まれば助かるなどということはなかっただろう、ということが伺えます。本当に恐ろしいです。

こんなの転がってきたらヤバいでしょ

そしてこの場所、明戸浜には、もともとサケのふ化場やマレットゴルフ上、お魚センター、野球場、黒松の保安林や民家などもあったそうですが、それらもすべて大津波に飲み込まれ、姿を消してしまいました。

新しい?堤防。

三陸の海を背に、振り向けば新しい防潮堤ができています。でもいざ大津波が来れば、人間の力ではどうしようもないんじゃないか、という無力感を感じざるを得ません。大きな地震があったらすぐ内陸の高台に逃げる。これしかないです。

震災遺構「明戸海岸防潮堤」 | 田野畑村

(余談)キャンプはキャンプ場でしましょう

宇都宮ナンバーのおじさんたちがこの場所でキャンプをしていました。デイキャンプなのかそのまま泊まるつもりなのかわかりませんが、完全なマナー違反ですし、このようなモニュメンタルな場所でキャンプをしてしまうこと自体がモラリティの崩壊というかんじです。人が少ないからいいじゃん、とか思っているのかもしれませんが、色んな人の思いがあってこの場所が成り立っているということを考えると、憤りを感じました。

通報まではしませんでしたが、この記事を読んでくださっている読者の皆さんにはこのような行為はしないようにお願いしたいです。

鵜の巣断崖

明戸海岸防潮堤で大津波の恐ろしさを実感しショックを受けた後、お次は鵜の巣断崖へ。ここからは美しいリアス式海岸の断崖絶壁の絶景を、展望台から望むことができます。

駐車場からは歩いて300mくらいでしょうか。もう日暮れが近くなってきたのでダッシュで断崖を見に行きました。

広い駐車場がある

見てくださいこの美しい海岸線。ちょっと日暮れ時になったのが逆に雰囲気がでたような気がします。

先程落ち込んでいた気持ちも吹き飛びます。しかしながらこの複雑な地形が、大津波を更にパワーアップさせるという事実も噛み締めながら、しばし見入ってしまいました。

鵜の巣断崖の周辺は、標高差がなんと200mもある海成段丘という地形だそうです。

立て看板に紅葉の時期の写真がありましたがすごくきれいでした。これは晩秋の三陸ツーリングを計画するしかないな。

ちょっと色をいじってみた。断崖に桜が咲いている。

本日の宿:民宿 治郎兵衛家

次の日の朝に撮影しました

すこし時間が押していたので、1時間ほど到着が遅れるかもしれないと宿に連絡し、急いでしかし慌てずに民宿へ向かいます。

国道45号線のトンネルが続き、そのトンネルとトンネルの間の小道を降りていくと治郎兵衛家がありました。ちょっと曲がるところがわかりづらく、3往復ほどしてしまいましたが無事にたどり着けてよかった良かった。

治郎兵衛家さんは本当にホスピタリティあふれる民宿で、お優しいご夫婦がおもてなしをしてくださいました。

民宿にありがちなタバコ臭い部屋でもなく(おそらく禁煙なのでしょう、敏感な私でも全く感じませんでした)、清潔感あふれるお部屋でした。ただ、内鍵はありますが、外からは鍵がかけられないので貴重品の管理には注意しましょう。ま、そんな事する人がこの宿を選ぶとは思えませんが・・・。

というか引き戸の鍵、現代っ子には使えないんじゃないだろうかと思わずにはいられませんでした。

おすすめです。★5つって感じ。

オーナーは漁師!
岩手県宮古市 民宿 治郎兵衛家 オーナは漁師!夏は獲れたて生うに、冬は獲れたて鮑を堪能できます。新鮮なお刺身と昔ながらの地元の郷土料理をメインにお料理を提供しております。

1日目まとめ

近いっす

1日目は、ウミネコのフン爆撃を華麗に避け、巨樹に挨拶し、磯の香りのホヤラーメンを食べ、震災遺構に心を痛めながら、漁師宿のホスピタリティに感謝するツーリングになりました。振り返ってみると結構な盛りだくさんな内容でしたね。そりゃ時間もなくなりますっていう話。

この日の走行距離は、約280kmでした。

今回はここまでです。2日目に続きます。ここまでお読みいただきありがとうございました。へば!

2日目はこちら↓

2022年累計走行距離 1418km

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