2023年10月初旬に、乙種危険物取扱者 第1、3、5類を受けてきました。
まだ結果は出ていません。結果が出しだい、このブログでもどのくらい勉強したとかデータを公開しようと思っています。
その前に、試験の傾向などに変化が出てきたかな?という感じがあったので、まとめて記事にしようと思いました。
乙種を受ける方の参考になると幸いです。それではどうぞ。
過去問でほぼ満点を取れるレベルで臨んだが、全く合格に確信が持てない状況
と、見出しのとおりです。直近で公開されている過去問を直前に解き、各類とも9割程度理由も含め正答できている(つまり1問だけミス)という状況でしたので、ほぼ知識的には合格ラインを満足しているだろうと思っていました。
参考書の模擬試験でも同じような得点をすることが可能で、根拠も合っているといった状況だったので、それなりに実力はあるだろうという自負はありました。
しかし、実際に試験を受けてみますと、全く合格したという感覚は持てず、どの類も合格ラインスレスレ、あわよくば全類合格、もしかすると全類不合格というような、なんとも不安な状況になってしまいました。
なぜ、このようになってしまったのか、理由を考えてみました。かなり個人的な考えを書いているもので、公式にそうだというふうに発表されているものではないことをご了承の上、続きをお読みいただけますと幸いです。
結論:乙種は難化傾向。文系で甲種を目指すなら、最初から甲種レベルの化学・物理の知識を入れるのが無難
結論から言ってしまえば、乙種の試験は難化傾向になってきているんじゃないか?というふうに感じました。甲種を目指すなら、最初から甲種レベルに対応できるような化学・物理の知識を入れておくことが必須になるのではないかという気がしています。
単なる暗記だけで対応可能だった試験、というような位置付けと捉えられているような向きもあったような気がしますが、もはやその認識は捨てなければならないのかも。
消火方法選択の理由、水などに溶ける・溶けないということの理由などは、元素の基礎知識から化学物質の結合に関する知識がなければ、解きづらくなっているのではないか?と感じました。
私は文系の人間だということは乙種4類を取得したという記事にも書いた通りです。そのため化学や物理は中途半端な知識しかなく、高校レベルのそれらの一般的な知識はほとんどないに等しいというような人間です。
そのため当然、理系学部卒でもないし、化学の単位もないので、甲種の受験資格を満たすためには、乙種1類から6類のうち指定の4種類を受ける必要があります。どれを受ければいいのか?ということについては、他でもたくさん書かれているのでここでは記載しません。
その状況で、暗記で付け焼き刃的に9割取れても、ダメだった理由があるんじゃないかと思ったのです。まだ、執筆時点では完全にダメだったわけではないのですが、ダメだったと仮定して。
2023年以前から難化しているのかも?と思った理由と考察
上の方にも書きましたが、難化してきているのではないか、というふうに感じました。その理由を書いていきます。
データを見ると・・
直近3年の乙種1、3、5類の合格率の推移は、2023年10月現在で下表のようになっています。
合格率 | 乙1 | 乙3 | 乙5 | 乙種計 |
令和5年度 | 69.1 | 68.6 | 69.8 | 39.2 |
令和4年度 | 69.4 | 71.1 | 71.0 | 39.1 |
令和3年度 | 70.5 | 71.0 | 71.0 | 43.3 |
令和2年度 | 71.5 | 70.8 | 71.2 | 44.9 |
データからは、合格率が高い時期が続いていたが、2023年は7割を切る状況となっています。これだけでは何ともいえないですが、全体的に少しずつ合格率は下降傾向にあると言えるのではないでしょうか。
それでも7割弱の合格者がいるというのは、乙種4類を取ってから科目合格を目指す人が多いから何でしょうね。
直接は関係しないが、直近で化学物質管理の大きな法改正があった
消防法等には直接関係ないかもしれませんが、直近の労働安全衛生法の法改正がありました。
内容としては、化学物質管理の強化です。管轄こそ総務省消防庁と厚生労働省なので違いますが、化学物質に関する実践的な知識を身につけている人を増やしていくにあたっては、科学や物理の知識を勉強する必要のある危険物取扱者はうってつけだったのではないかと。
私も、労働安全衛生法の改正について感知していたわけではありませんが、製パンから化学の知識をつけたいという動機からの受験でしたので、そういう意味では化学の入り口としては、危険物取扱者はいい試験なんですよね。
だから、ここでもっと知識をつけてほしいという流れなのではないか?という気がしていますが、考えすぎでしょうか。
単なる暗記だけでは合格できなくなっており、より実務的に知識を使える人を増やしたいのかも?
そういう背景も考慮に入れると、単なる暗記で資格を取得するだけする、という人は弾いていって、より実務的な、実践的な知識を運用可能な人材を増やしていくという意図があって、難化傾向にあるのではないか?というふうに考えることができます。
実際、化学物質を単純に暗記するだけでは、「なぜ」そうなっているのか?という思考が育まれません。なぜ?と考えるクセのある人は、その仕組みを理解して使える知識をつけて合格しますが、単なる暗記で突破できている状況では、実践的な資格とする目的を達することができない、というのがあるのではないかと思います。
と、それらしく書きましたが公式の見解は分かりません。たまたま今回がそうだっただけか、自分が勉強不足だっただけという可能性もあります。個人の感想ですね。
実務で絶対に必要な人(1種類だけとか)なら暗記だけでもいけるかも?
とはいえ、危険物取扱者は国家資格で、仕事をするために必ず取得しなければならないという人も多数存在します。乙種4類は特に需要がある資格で、ガソリンスタンドで働くときにあると便利、という話は有名かと思います。
国家資格で必須の人がいるという性格の資格であるため、ある程度の合格率が無ければ、日本に存在する会社が困ることになってしまいますよね。行政としても、国の運営上、首を絞めすぎると自分の首も絞まることになってしまいますので、ある程度の合格率を担保しつつ、実践的な知識の運用が可能な人材の育成を目指すはずです。
そう考えると、一定程度の合格率は確保するはずです。単に試験を受けさせるだけである程度の収入にもなりますし、趣味で受けるような人が避けるようなレベルにはしないはず。
なので、どうしても実務的に必要な人が合格できるようにはするはず。とはいえ、どこが適当なラインなのかというのは、試験の設計をする人が頭を悩ませるところだと思います。
今はちょうどその過渡期なのかもしれないですね。
文系大学出身、化学基礎以外ほぼ未履修者などは今後キツくなるかも?
私のスペックは前回、乙種4類に合格した際に書いた通りです。典型的な文系人間なので、化学の勉強はちょっと難しかったです。それでもYoutubeで無料で親切に解説してくれる人がいますし、講談社ブルーバックスの書籍がKindle Unlimitedで読めるようになったということもあって、脇道で少しずつ化学の知識を補強しながら挑んだ試験でした。
聞きかじり程度でも、元素の化学結合などの知識があると化学物質の見え方は変わってきますが、そういうところに意識が向かず、単に暗記で乗り切ろうとしている場合は、今後合格が厳しくなると思っていた方がいいかもしれません。
おわりに
長々と考察をしてきましたが、基本的に個人の感想なので信憑性ゼロと思っていただいて構いません。こんなふうに書いておいて、受験した類が全部合格していて、全部手のひら返しをする可能性も無きにしも非ずです。
しかし、仕事の合間を見て勉強時間を確保しながら、合格ライン以上を確保したにもかかわらず、歯が立ちそうで微妙にかみきれないみたいな問題が多数出たので、本当に自信がありません。
気になる方は続報をお待ちください。いずれ合格率のデータが更新されるので、そのときに明らかになることでしょう。
以上、ここまでお読みいただきありがとうございました。へば!!
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