「ムサシって10回言って?」「ムサシムサシ・・・」「アニポケロケット団の青い方は?」「えっ?ニャース?」
新年といえば初詣。初詣といえばツーリングですね。(典型的なバイク乗りの飛躍思考)
みなさんはもう初詣ツーリングお済みでしたでしょうか。またコロナウイルス感染症の拡大でなかなか動きにくい状況になってきましたが、ソロで初詣ツーリングに行ってきました。
今回はパワースポットとしても結構有名らしい「武蔵御嶽神社」です。
神社好きっていうか、古いモノが好きというだけで、べっ別にパワースポットとか気にしてないし・・・。
多摩地区に「武蔵御嶽神社」という神社を発見
2022年、実際のところ個人的な事情があって「初詣」という形式でお参りには行かないことにはしていたものの、おみくじが引きたい。という理由からバイクで行けそうなそこそこな神社を探してみたところ、武蔵御嶽神社という神社を発見。
調べてみたら歴史の古い大きな神社でした。わりと近いところにあったので、行ってみることに。
武蔵御嶽神社まではケーブルカーでらくらく・・・?
武蔵御嶽神社は駐車場のある御岳登山鉄道の滝山駅からケーブルカーを使ってらくらく参拝することができます。らくらく、と思っていたんだ。このときは。確かに、高低差432.6mを徒歩で登るよりは、全然楽なはずなんですけど・・・
駐車場はバイク500円
1日500円です。バイクの場合は入口ゲートでボタンを押し、駐車場スタッフさんを呼んで、バイク用のパーキングチケットを出して貰う必要があります。パーキングチケットをしまっておく場所をあらかじめ用意しておかないと僕みたいにアセアセしてしまうことになります。最終的に給油キャップの隙間にはさみましたけど。あんまり駐輪場使ってない人間のムーブですね。
バイクの駐輪スペースは駐車場入口から見えるスロープを上った先の右手側にあります。スペースには「バイク」と足元に書いてあるのでわかりやすいと思います。そのスペースに斜めに駐輪して、枠内に入れておくのがベター。僕は間違って1階の奥に一度入ってしまい、スタッフさんに慌てて呼び戻されました。ほんとすんません。
見た感じ小型〜普通2輪なら7〜8台くらい、大型だと6台くらいまで駐輪できそうな感じでした。
ケーブルカーは往復1130円
1130円って結構なお値段・・・と思ってしまいましたが、維持費とか考えたら頑張ってる方なんでしょうかね。
現金だけではなく、SuicaやPASMOなどの電子マネーでもチケットを購入することができます。また、チケットを買わなくてもSuicaやPASMOなどを入り口で端末にかざすだけでケーブルカーに乗ることができるので、そちらも便利です。割引が入るのかどうかはわかりません。チケットなくしがちな人とか、別に思い出にチケット撮っておく必要なんかないという人などは、タッチで乗れるほうが便利かもしれませんね。
ケーブルカーに乗るも、参道の勾配がめちゃしんどい
さっきらくらく参拝することができると言ったが、あれは嘘です。ケーブルカー乗って標高差423.6mを6分でらくらく登ることはできましたが、御岳山駅に到着した後が地獄のようでした。
しばらくは平坦な道が続くのですが、途中から急勾配をずっと登り続ける感じになります。ハァハァいいながら上っていきました。
バイク乗りの人へのアドバイス:冬ならウインタージャケットは脱いでおいたほうがいい。もしくは登山向けの装備を最初から着ていく。
事前にオーバーパンツは脱いでから行ったのですが、ジャケットはそのままで行きました。しかし、これは失敗でした。僕が3シーズンで着ているジャケットはREV’ITのOUTBACK3ですが、プロテクターもふくめて結構な重量があります。正確には測れてないですが3kg弱ほど。これを着て急勾配を登るのはかなりしんどかったです。
なので、冬場に行くなら、ウインタージャケットは駐輪場で脱いで、箱にしまうなりなんなりして行ったほうが懸命だと思いました。そして登山向きのジャケットなどに着替えたほうがベター。
というか、登山系のジャケットとレイヤリングを着て、必要なプロテクションは別途着けるというスタイルのほうが楽かもしれません。ジャケットを収納しておくのって、意外と大変なので。
勾配のきつい参道を上って、ようやく到着!
ほんときつかった。ジャケットが重いというのもさることながら、カメラと使ってないGoPro、家で淹れてきたコーヒーの水筒、そして500mlの水筒の入ったリュックを背負いながら急勾配を登り続けるというのは結構な苦行でした。もう修行してる気分。
しかしもっと昔の人はこんなもんではない苦労をして神社まで来ていたわけだから、現代人はスポイルされているんだなどとよくわからないことをブツブツいいながら参道を楽しむこと30分ほど。やっと本殿の目の前に到着しました。
武蔵御嶽神社の祭神は3つ(つ?人?)
というか神様ってどうやって数えるんですかね。人?個?様?社?
御由緒のページによると「大己貴命(おほなむちのみこと)」「少彦名命(すくなひこなのみこと)」と、奈良時代に「金剛蔵王権現」が安置され、その後平安時代に「大麻止乃豆乃天神社(おおまとのつのあまつかみやしろ)」として地主神が祭られ、さらに鎌倉時代から「金峰山御嶽蔵王権現(きんぷせんみたけざおうごんげん)」として信仰されたということのようです。そして江戸時代、徳川綱吉の命により(1700年)に社殿が改築されて、もともとは南に向いていた社殿が東向きになったようです。権力って怖い。その後、明治維新の頃に「御嶽神社」と社名が変更、さらに昭和時代(1957年)に、今の「武蔵御嶽神社」という名前になったようです。時代よって神社もいろいろ変わるんですね。そういう時代を生き抜いてきたことって素直にすごいと思います。権力って怖いね。
今でこそケーブルカーに乗って比較的気楽に来られる場所になったものの、徒歩しか手段がなかった時代には、ここまで登るのはかなり大変だったと思います。宿坊がたくさんあり、そういう文化が発展したのも納得です。それだけ、「ありがたい」場所であるということでなんしょうね。
もし機会があれば宿坊にもお世話になりたい。登山しつつ、お参りするパターンでもう1回来てみようかな。
気になる「講」の石碑
参道を歩いている途中でとても気になったのが「○○講」という石碑がたくさん立っていること。これってなんだろう?と思っていたのですが、こちらも御由緒のページにちゃんと書かれていました。江戸時代中期から庶民の「社寺詣で」が盛んになって、「講」という組織ができたみたいです。それぞれの信仰グループ、信仰なかよしクラブみたいな感じでしょうか。石碑は群れのトーテム?
宝物殿がすごい
宝物殿の拝観料は500円なのですが、ここまで来たらぜひ拝観していかなければもったいない、極端な話、ここまで来て宝物殿観ていかないなんてほんとになにしにきたの?って感じです。でも土日祝祭日しか開いてないので注意してください。
写真や動画の撮影などは全面禁止なのでそういうのはありません。せっかく国宝などを観られるのですから穴が空くくらい観て、記憶にとどめていくことをおすすめします。
鎌倉時代の刀、鎧などが展示
公式サイトの宝物殿のページに、収蔵品のリストが書いてあります。平安時代末期から鎌倉時代の鎧、刀などが展示されています。
国宝と言われても価値があんまりわからない僕なんですが、鎧を観ていて装飾の細やかさに衝撃を受けてしまいました。当時この鎧を作った人はどんな人だったのだろうとか、こんなに繊細な芸術作品をまとっていた武将はどんな気持ちだったのだろうか、とか。勝利への願い、願いというよりは執念というか怨念に似たのようなものがあったのかな。狂気すら感じるような繊細な美しさでした。と、個人的には思いました。
刀については刀身のR(曲がり具合)とか、鋒(きっさき)の角度とかが気になりました。このあたりは刀匠による意匠(デザイン)によるものだろうか。それとも殺傷能力を研究した結果のものなのか?色々疑問が尽きない。
人類が存続する限りきれいに保存されてほしい思いになりました。
江戸時代に寄贈されたお神輿も必見
宝物殿の受付正面のお神輿も貴重なものでした。(画像はないですが・・)
見逃しやすいので注意してください。受付窓口からちょうど正面にあるお神輿は、室町時代のものだそうです。宝物として神社に寄進されたのは江戸時代、それこそ東向きにされたときらしい(受付のおじさん曰く)です。こちらの装飾も非常に繊細で美しく、今ではこのような工芸品を作ったり修復したりできる職人さんはいなくなってしまったとのこと。
どうにかならんのかなと思いつつ、逆にロボットが職人に代わる時代になってきているのではないかなとも思いつつ、宝物殿をあとにしました。
武蔵御嶽神社のおいぬさま信仰→愛犬と一緒に参拝されている方も多い
武蔵御嶽神社はおいぬ様(ニホンオオカミ)信仰もあり、かつて日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が御岳山で道に迷った際に、白い狼が現れて北西の方角へ導いたという伝説が残っているそうです。(手元にある日本書紀を参照してみたんですが、該当の記述箇所が見つかりませんでした。景行天皇のところに確かに日本武尊という人物っていうか神?神人?のことは書いてあるんですが。)
ニホンオオカミはいまでは絶滅してしまいましたが、山岳信仰と共に、畏怖の対象として生活に密接だったことが伺えますね。
その伝説にちなんで、愛犬と一緒に健康を願う方もたくさんいました。実際にケーブルカーにも何組か乗っていましたし、参道ですれ違うことも多かったです。普段、山道に慣れていない犬も多いと思うので、人間と同じで足腰大丈夫なのかとちょっと心配になりましたが、逆に運動になっていいのかも。
巨樹もあるよ!
参道で一番きつい勾配の場所に、樹齢1000年近くの欅がありました。山の鳥たちが羽を休めている様子を見ると幸せな気分です。場所的に見逃しやすいので注意。
豆:社殿は江戸城の方向を向いている
上の方で江戸時代に東向きになったという話がありましたが、正殿を背にしてGoogleMapsなどの地図を開いて、江戸城跡を検索して確かめてみると、だいたい正面向きになっていることがわかります。神の向く方向を変えさせてしまう権力って怖いですね。
そもそも神社がどの方角を向いているかという点については、あらたな疑問の視点なので、今後訪問する神社ではその方角も気にしてみようと思います。今回のように権力によって向きを変えられたという話が明らかに伝わっている場合はわかりやすいですが、神社がどっちの方向を向いて立てられているのかということはリサーチ対象として面白い気がします。信仰の対象と合わせて考えるテーマになるかな。
総括:良い神社でした
神社までの参道はかなり険しく疲れ切ってしまいましたが、登りきった先の神社からの眺めや宝物殿での学びなどもふくめ、とても長い時代を生き抜いてきただけあって、良い神社でした。
ちなみに、目的だったおみくじは「吉」でした。武蔵御嶽神社のおみくじは、古いものがそのまま現代に残っているもので、古文で書かれています。解説も置いてあるのでぜひ試してみてください。ただ時間や時期によって解説の紙がないときがあるので、そのときは神社の人に聞いてみたらいいと思います。僕が行ったときはなかったものの、まあ大体内容はわかったのでよしとしました。
2022年はいい年になりますように
2021年はコロナもそうですがプライベートでも非常にいろんなことがありすぎて疲れてしまったので、今年はゆっくりツーリングを楽しむ時間を作って、たくさんの経験をしていきたいですね。
それではここまでお読みいただきありがとうございました。2022年も幸福がおとずれますように!へば!
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